五島日記

五島日記２０００年１月～３月

2000/1/1　２０００年です

今年もがんばって五プラに通いたい。
日記もがんばるぞ。
困難はあるけど・・・。

2000/1/21　星の会例会

毎年恒例の館長による「今年の天文現象」。
閉館は一ヶ月も前に決まっていたはずだけど、この日はそのことについてのお知らせは一切なし。
いつもどおりの一年のスタートのようにふるまわれた。（注：この日記は５月に記したもの）

2000/1/23　星の会特別会員談話会

東急インにて、特別会員とプラネタリウム職員とが紅茶とケーキで談話会。
去年は星見の近況報告などで和やかにすごしたが、今年は一変した。
最初の館長のあいさつで五プラ閉館が告知されたからだ。
ほとんどの会員は少し前にどこからか情報をかぎつけていたらしいけれど、何人かはその場ではじめてきいたそうで、頭が真っ白になっていたようだった。放心状態だ。

ある星の会委員の先生が有楽町にあった東京初のプラネタリウム（戦争で焼失）の投影パンフレットを持参されていた。その中の文字からは、プラネタリウムと星の世界に新鮮な驚きと楽しさがあったのが感じられた。

2000/2/18　オフィシャルから告知

朝日新聞夕刊に閉館記事が載った。
「存続の願い届かず・・・閉館へ」

それにあわせるように五プラの公式ホームページにも閉館のお知らせが載つた。

どちらも歯がゆくなるような記事。
星の王子様がいっていた「大切なことは目に見えない」ってこういうことも言うんだなと思った。
五プラを「大切」と想う人は、どうして閉館するのかについて隠されている「大切」なことを、さがしだして見つけて欲しいと切望する。目に見えるところに出せない、出てこない、見えないくらい奥深い、たくさんの大切なことを。

2000/2/20　「43年前」伝言板のやりとりから

43年前　投稿者：Masaru♪です　投稿日：00/02/20(日) 23:18

1984年に科学評論家の草下英明氏が出した「星日記～私の昭和天文史」
（草思社刊）に五島プラネタリウムの草創期についての文章が
いくつかあります。少し引用させていただきましょう。

*1955年（昭和30年）12月6日*
初めて、東京にプラネタリウムが建設されるという話を聞いた。
（中略）
昭和二十年五月二十五日、有楽町駅前の東日天文館（昭和14年設置）にあった
ツァイス・プラネタリウムが焼失して、ちょうど十年目のことだった。
野尻抱影先生や村山定男氏がいろいろ奔走されているということだった。（以下略）

（1956年に草下氏は平凡社を退社して、五プラ準備室へと入る）

*1957年（昭和32年）1月30日*
西ドイツ、オーベルコッヘンのカール・ツァイス社から送り出された
プラネタリウム投影機がやっと到着した。
八階建ての東急文化会館の屋上まで吊り上げ、天井をはがして、
八階ドームへと運びこんだ。ツァイス社から派遣されてきた
機械技師フィーベックとボルネマン両氏が、木材を組んで
ワイヤーで吊り上げるという原始的なクレーンにびっくりして、
「こんなものではダメだ」とわめいていたのを思い出す。
当時、鉄骨のクレーンなどは、日本ではほとんど使われていなかった。

*4月1日*
財団法人天文博物館五島プラネタリウムが開館。
理事長兼館長は五島慶太、理事の中に野尻抱影、萩原雄祐、茅誠司、
岡田要、八木秀次、鏑木政岐といった方たちが名を連ねているが、
天文関係者以外はほとんど姿を見せなかった。（以下略）

この草下英明氏、実は五プラの初代解説者のひとりだったのです。
もっとも在籍期間は短く、1959年の10月一杯でお辞めになってます。
そこのくだりが面白い・・・
「10月31日　五島プラネタリウムに辞表を出して辞めてしまった。
十月初めに、ＴＢＳテレビのクイズの司会をやらないかという
話があって、「百万円Ｘクイズ」という番組にレフュラー出演
しなければならなくなってしまったからだ。（中略）
私としては、なんとかうまく、プラネタリウムと
二股かけてやろうと思っていたのだが、
日頃、さぼってばかりいたので評判悪く、周囲から総すかんを食って
辞めなくてはならない羽目となった。（以下略）」
草下氏、なかなか威勢の良い方だったようですね。

コメント投稿者：みわ♪です　投稿日：00/02/25(金) 23:50

そのころの五プラにいってみたかったです。
けっこうおもしろそうですね。

Masasruさんはこどもにいったことがあるんですよね。
そのころと今と、五プラや投影の印象はどうちがいますか？
変わった部分ってなんですか？

ってこんな昔の投稿にレス付けても読んでもらえるのでしょうか。

コメント投稿者：Masaru♪です　投稿日：00/02/27(日) 00:23

あはは、ちゃんと見てるしレスつけるんだなあ、これが。
昔（30年くらい）の五プラは、そりゃあ活気がありました。
公立プラネなんてほとんどなかったし、
首都圏でプラネタリウムと言えば、なんてったって「五プラ」でしたから。
それにSFXとか特殊効果氾濫なんて時代じゃないから、
プラネタリウムの作り出す世界は幻想的そのもの。
インパクト強くて「くらくらしそう」ってとこでしょうか。
あれから30年経っても五プラの展示ってせいぜい10年分しか
進化していないのです。これって実は大きな問題ですが、
おじさんの勝手な感想で言えば「やたら懐かしい」。
でも本当はそれじゃいけないんだよね。
東急文化会館の８Fでエレベーターを降りると匂いがあるでしょ？
雰囲気という意味ではなく本当に「匂い」ですよ。
それは昔も今も変わってないんだなあ。
記憶を呼び起こす匂い、香り。
渋谷の文化だよね。

コメント投稿者：みわ♪です　投稿日：00/02/27(日) 23:25

さすが、Masaruさん。ちゃーんと見てるんですね。
ということは、ずっとレスがなくて寂しい思いをさせていたのですか？

プラネ歴＋天文歴の浅いわたしなんて、今日もくらくらしました。
それも、機械式だとくらくら度が増すんです。

五プラの展示の進化が遅いことはわたしにはちょうどぴったりです。
細かいデータの修正は必要でしょうが、最近の天文学の進歩に合わせてつくっていたら
たいへんな情報量になりますね。天文学の基礎ぽくていいです。
夢は１～８階までオール天文博物館のビルをつくること。
大昔の天文学から最新の情報まで、フロアごとにわかれているのがいいです。
プラネタリウムはやっぱり最上階かな。ドームは５０ｍくらい。しかし席は真ん中によっていて５００席くらい。当然、ツァイス製の投影機です。
プラネタリウムを見たあとに降りながら展示を見ていけばいいようにつくりましょう。屋上は観望スペースです。ねっころがれるベンチを
おいたり、星空の下ライブができるようなスペースもとっておきましょう。でも、スピーカーは小さいのをおきます。
ああ、お金持ちになりたいです。

話は戻りますが、わたしが今日嗅いできた五プラの匂いは、Masaruさんがこどものころに嗅いだ匂いと同じなんですね。
生解説の感じは変わりませんか？

コメント投稿者：Masaru♪です　投稿日：00/02/28(月) 13:41

五プラに通いつめていた小学生の頃・・・アポロの時代・・・
解説者の名札に増沢さんの名前があったのを覚えています。

確か増沢さんの解説だったと思うのですが
たとえば夕空に三日月が光っていると、
「毎日毎日だんだん左へ、つまり東に動いていきますよ。
　少しずつふくらんで○日には右半分が明るい半月、
　○日、○日とだんだん動いて◎日は月給日、
　で○日が満月」・・・この月給日というのが
なんとなく笑いをとるのです。

「ソ連のゾンド○号がある動物を載せて月を周ってきました、
　さあこの動物は何でしょう？」
もちろん子供たちは「さる！」「犬！」「ネズミ！」・・・
と大騒ぎ。これ正解は「カメ」なんですが、何度も通う
私みたいな少年は正解聞いちゃってますから、満を持して
「カメ！」とやるわけです。
すると増沢さん「おっ正解！でもこれ知ってるのは私だけなんだけどなあ、
君みたいな子供が増えると商売にならないなあ」みたいな感じでボヤくわけ。
どこの世界にもいる生意気なガキんちょをやってました。

入れ替え制なのに、展示の間をうろちょろして
何食わぬ顔で一日に５回も見たり・・・
子供に怖いものはありませんから、五プラにだいぶ損害与えたなあ（爆）
おさむさん、30年前ですから立派に時効成立です。
週末は、入場を待つ行列が６階くらいまで伸びたり、賑やかさがありました。
「○月のプラネタリウム」のおなじみパンフレットも
コレクションしましたよ。時々、バックナンバーの放出があって、
いろいろ持ってかえりました。
私の五プラ体験は1965年からですが、パンフコレクションの一番古いのは
1962年のもの。実家の押し入れのどこかに眠っているはずなので、
今度発掘してみようかな。
またまたの長文失礼しました。

　コメント投稿者：みわ♪です　投稿日：00/03/01(水) 23:43

すごい！
Masaruさんは五プラ私設ファンクラブの名誉会員に認定しましょう。

それにしても、そのころの増沢さんの投影も見てみたかったです。
今では増沢さんがそんなにお茶目なことをいうのは聞かないですね。
安らぎ度はアップしたのでしょう。

コメント投稿者：Masaru♪です　投稿日：00/03/02(木) 01:22

＞Masaruさんは五プラ私設ファンクラブの名誉会員に認定しましょう。
いやあ、うれしいですね。ありがとうございます。

きょう、増沢さんから「星の会」の件で手紙をいただきました。
30年前に上記のようなエピソードで一瞬の邂逅があった方から
個人的な手紙をいただいたことに、深い感慨を感じずにはいられません。
30年って、ボリュームありますよね。
10歳だった私も、不惑になってるわけですから。
こういう人と人を結ぶ不思議の糸って大好きです。

2000/2/20　都立高入試国語問題

長文の問題が津村節子さんの「流星」で、出題されている部分に「渋谷のプラネタリウム」へいくくだりがある。
文化会館の説明といい、五プラのロビーのようすといい、投影機やドームの切り絵の風景といい、投影の描写といい、五プラそのもの！
まるで五プラへいったような気分になれる、すごい観察力と描写力と洞察力。
とても楽しませてもらった。

2000/2/29　東京新聞に掲載

２月２９日付、東京新聞２６面「TOKYO発」のコーナーに
「星なき街の星の館」と題して五プラ閉館の記事が掲載されました。
一面のほぼ半分のスペースをとり、村山館長withツァイスくんの写真や解説台の村松さんや
小惑星Shibuyaなどの写真も載せられていた。
なかなかやるぞ、東京新聞。うちのホームページと同じ「愛」のにおいを伝えてくれているこの記事、大変気に入った。保存版だ。
だって、うちのホームページのこともちらりと載っているんだもの。
村松さんが「ファンがつくったホームページに専用のコーナーがあるほど」人気の解説員だともかいてくれている。
村松師匠の愛は広く伝わったに違いない。

2000/3/6　朝日新聞夕刊

３月６日の朝日新聞の夕刊に、五プラ閉館をきっかけにした、
プラネタリウムの現状、問題点などの内容の記事が載った。
名古屋市立科学館と比べたり、オート番組と比べたり、
多方面にコメントを求めたり、と意欲的に多方面へ取材をしたようだ。
でも、限られた紙面に多くの情報を載せようとしたからなのか、言葉足らずで一般の人には誤解をされそうな書き方になってしまっているのが残念。

（先日（２月２９日）の東京新聞の記事とはかなり要旨が違うもの）

2000/3/12　星の会会員来年度受付開始

２０００年度・・・最後の年の星の会受付がはじまった。
会員証には毎年星座絵がかいてあるが、最後の絵はツァイスくんの絵。
やっぱり五プラといえばツァイスプラネタリウム。会員証をデザインした職員の思いが伝わってくるよう。
ジュニアクラスの会員は会員証にプリクラのようなシールを貼ってくれる。こちらは青い地球の写真。
これも、宇宙を見ていても最後は地球に戻ってくる思いを感じた。
いよいよ最後の年なんだなぁ。
わたしも悔いを残さないよう、精一杯応援したり、活動したりしよう。

2000/3/25　さだネタリウム？最終回

＜伝言板のかきこみより＞

投稿者みわ

今日は五プラ名物「星と音楽の夕べ～さだまさし特集～」の最終回でした。
伝説になるでしょう。
これぞ、星と音楽の夕べ！
と思わせる、名投影でした。
あんなにたくさんの方々と、あの場を共有できてしあわせです！

コメント投稿者：星野こゆき♪です　投稿日：00/03/27(月) 00:30

開場前の行列が、６階までできていましたね。
終わりの拍手も鳴りやみませんでした。
ドームの中やロビーで、別れを惜しんでいる、たくさんの人たち。
終わってしまうのはさみしいですが、また新たな出会いや歩みにつながると思います。
いつか、東京で南十字星を見てみたいです (^^)

星の会更新したら、会員番号１２３番でした。新年度もたくさん通いますよ！

コメント投稿者：みわ♪です　投稿日：00/03/27(月) 10:56

あの投影で、五プラ閉館をうまくあらわす言葉を見つけました。
今まで、「寂しいけど前向き」の五プラと私たちの気持ちをあらわす
しっくりした言葉を見つけられずにいましたが、ああ、これだ、と思いました。

あの投影は、かの解説員さんにとっての「五プラの卒業式」。
そう、「卒業」なんです。いままで学んだことや得た経験をいかして、新しいことを
やればいいんです。職員のかたも、わたしたちファンも。

ひとつのところにいた人達がばらばらになるのはちょっと寂しいけど、
「五プラののれんわけ」でもあるんです。

解説員という人間に伝えたいことがあって、それを表現するために機械や装置を
つかう。それがあの投影にはありました。だから、名投影といえるでしょう。

卒業生に最後まで拍手をしていたひとりです。
学校の先生はちょっぴり寂しいけど、悲しむことなく、毎年卒業生を送り出します。

卒業、おめでとう。

2000/3/27　頑張るツァイス君

＜伝言板のかきこみより＞頑張るツァイス君　投稿者：Masaru♪です　投稿日：00/03/27(月) 11:38

きのう五プラ行ってきました。
１等星が暗いのです。
レグルスより、デネボラやγ星のほうが明るい。
リゲルより左隣の２等星サイフのほうが明るい。あれ～・・・と思いました。
解説員さんに伺いました。「Why？」
あのツァイスⅣ型は、１等星と２等星～６等星までの光源が別電球なんだそうです。
シリウスが別光源なのは知っていましたが、１等星も別電球だとは知りませんでした。
電球はドイツのツァイスの特注品。なんと職人さんによるひとつひとつ手作り。
ところが生産が終わってしまったのだそうです。
それで仕方なく、２～６等星電球を「純正」ではない代替電球にしたのだそうです。
すると「純正」より明るいもんですから、１等星より２等星が明るいという
逆転現象が起きてしまうということ。それで納得しました。
本来、１等星電球と２～６等星電球は微妙な明るさバランスをとった
絶妙なコンビネーションだったのですが、「純正(4)型電球」の生産打ち切りで、
こんなことになったのだそうです。
たかが電球では清まされない、微妙なバランスが絡む、まさに光の芸術。

言い方を変えると、現在の五プラの星空は往年よりちょっぴり明るいということ。
but,except １等星・・・。

１等星電球が少し明るくなればまたバランス取れるのでしょうが、
そう簡単なことではないみたいですね。
満身創痍でも頑張るツァイス君といったところでしょうか。
ファンメール＆ラヴメールはこちらまで

このページのはじめにもどる

都会のオアシス五島プラネタリウム

天文博物館五島プラネタリウム私設ファンクラブ～Go!Go!!五島プラネタリウム～